パッケージ印刷の表面加工と耐摩擦性


パッケージ印刷(紙器や化粧箱)に表面加工は欠かせませんが、 その主な目的は「耐摩擦性の向上」と「加飾性の向上」です。
様々な商品は、流通過程において紙器や化粧箱で個装されたうえで、12本入り、24本入りのような単位で段ボールに入れられ輸送されます。 その輸送過程では数えられない回数の微振動を受けます。
化粧箱同士はもちろん、輸送用の段ボールとも擦れます。
白を基調としたパッケージであれば、印刷部分が少ないため、仮に擦れても目立たず大きな問題になることは少ないでしょう。 しかし、黒ベタや赤ベタなど濃い色を基調とした紙器では少し擦れただけで目立ってしまい、目的地の店頭で、その擦れにより商品価値が下がってしまいます。

そこで、ほとんどの紙器や化粧箱には何らかの表面加工を施しています。
一般的に、表面加工と耐摩擦性の関係は
OPニス < プレスコート < 水性ニス < UV印刷・UVニス < フィルムコート と言われます。

弊社では、デフォルトでUV印刷・UVニスを採用しておりますので、耐摩擦性という面では比較的強い表面加工となっています。

化粧品などは加飾性を考慮して、最もグロス性の高い(光沢のある)プレスコートを希望されるお客様もいらっしゃいます。 弊社では、下地の印刷自体が耐摩擦性の高い「UV印刷」であることと、耐摩擦性を向上させた「耐摩プレスコート加工」を採用していることから、擦れによるトラブルはほとんど起こっておりません。

もし、絶対擦れのない堅固な表面加工を希望される場合は、フィルムコートが必要となります。 別工程でフィルムを表面に貼る加工となるため、コスト的には最も高くなります。

最近では、高級感があるという理由でマットフィルム加工も人気です。 しかし、同じフィルム加工でも、「光沢を消したマットフィルム加工」の場合は注意が必要です。 マットフィルム加工は、擦れよりも傷が入りやすい(目立ちやすい)という問題を抱えていましたが、 現在では、傷が入りにくいフィルムが開発され、こちらの採用が増えています。
マットフィルム
傷が目立たないマットフィルム
マットフィルムと傷が目立ちにくいJスクラッチマットフィルムの比較記事

商品の価格帯、使用状況、内容物、輸送経路などによって最適な表面加工は決まります。どうぞお気軽にご相談ください!
また、輸送時のパッケージ(紙器・化粧箱)の擦れに悩んでいる方も、是非ご相談ください。弊社では、耐摩擦性を調査する機器も揃っております。

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