化粧箱をDIYで作ろうとしても、そううまくいきません。 では精密かつ大量生産が必要なとき、どんな作り方をしているのか。 社外秘に触れない程度に追ってみます。

箱の設計

平面の紙に刷っただけでは箱になりません。 そもそも、どういう形で刷ればいいかを決めないと刷れません。

だから、まず図面を作る必要があります。 完成時のサイズや形状をもとに、まずは箱の図面をCADで作成。

箱のサンプル

地獄底箱の図面

もちろん、実物の図面には細かな寸法指定があります。 この図面をもとに、実際の印刷に取り掛かります。

※図面から作りますので、要望に合わせて様々な形を作れます。

製版

印刷機は、版データをもとに刷り上げます。 そこで、パソコンを使って版データを作成します。 つまり印刷の出来に大きく影響する工程です。 %e7%ae%b1%e3%83%87%e3%82%b6%e3%82%a4%e3%83%b3

「入稿されたデザインデータが適正か?問題なく印刷できるか?」などもチェック。 箔押しの位置などもここで作成します。

製版チェック 見本や色校正を前に、試行錯誤することも。

「製版」と聞くと、単純な工程のように思えるかもしれません。 ですが…大量印刷には、ほんの些細な要素も影響します。 だからこそ厳格なルール、十分な設備、そして熟練の経験や目が欠かせません。

印刷と加工

版をもとに実際に印刷します。 印刷

(大人の事情で、写真はモザイク付きです)

この印刷にもいろいろとあるのですが… [オフセット印刷 仕組み] などで検索したほうが詳しいと思います。

抜き型、打ち抜き(トムソン加工)

まだ刷っただけでは1枚の紙です。

ですので、1枚の紙から、箱として必要な個所を切りだします。 また折り目なども入れます。

さすがにカッターナイフ等で膨大な枚数を切り出す訳にもいかないので… まず図面をもとに 「抜き型(木型)」 とよばれる型を作ります。

箱の抜型

抜き型(木型)の例です。

この型をもとに、専用の機械が、箱部分を切り出したり、折り目をいれていきます。 ※この型、なかなか高価なものだそうです

この工程も実際には「機械に型をセットするだけ」というわけでもなく、微調整が行われます。 紙の種類や厚み、状態。さらに加工方法など、多くの要素が差を生じさせるからです。

だからこそ、長年の経験をもとに、イメージ通りに同じ箱が納品できるよう調整します。

箱の形に整える

紙から切り出して、折り目を付けただけでは…まだ箱とはなりません。

製函

ですので、最後は箱の形に整えます。 箱の形になるべく、もしくは最低限の手間で組み立てられるように整形。 (糊貼り、製函、グルアー、貼り…など様々な呼び名があります)

化粧箱の完成

こうしてようやく くりぬいた化粧箱 化粧箱の完成です。

と、工程が長いぶん、相応に手間がかかってしまいます。 そのため、一般には小ロットだと価格が高くなりがちです。



と難しい話が多いのですが… お電話 0120-960-254(平日9時~17時) にて箱のご相談に応じています。 営業時間外だったり、「電話が億劫」という方は お問合せ よりご希望をお聞かせください

追記: 弊社は小ロットの箱を作成できる機械も導入しています。 小ロットの場合、本記事と異なる部分もありますが、箱1個単位から作成できます。 こちらもあわせてご相談ください。